新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」は、感染拡大が続く関西圏などで「変異株への置き換わりが進んでいる」との見解を発表。
座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は記者会見し、「これまでと比べ、感染者や重症者の増加は非常に速い」と危機感を示されています。
感染拡大地域の多くで「20~30代の増加が中心となっている」と指摘されています。
宴会自粛のほか、クラスター(感染者集団)が発生した「昼カラオケ」などのリスクについて、改めて注意喚起する必要があると見解を発表されています。
変異ウイルスは、感染力が強いので、少ないウイルスの量でも感染することになるため、どの年代でも感染しやすくなると指摘されています。
特に子供は、従来のタイプでは、他の年代に比べて感染しにくいとされていましたが、変異ウイルスだとほかの年代と同じように感染するようになると考えられています。
変異ウイルスは、WHOによりますと入院や重症、それに亡くなるリスクが高くなっている可能性があるとしています。
1人が何人に感染を広げるかを示す数値「実効再生産数」は従来のウイルスに比べ変異ウイルスのほうが平均で1.32倍高くなっていたということです。
関西で多く確認されているのが、イギリスで最初に見つかったタイプの変異ウイルスで、この変異ウイルスは、WHOのまとめによりますと、従来のタイプより感染力が最大で1.7倍ほど高いとされ、これが感染拡大の要因の一つとみられています。