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脳梗塞による年間国内死亡数6万を超える

厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」によると、平成29年(2017)1年間の死因別死亡総数のうち、脳血管疾患は10万9880人で全体の8.2%を占め、全死因の上位から3番目という結果になりました。

内訳をみると、「脳梗塞」が最も多く6万2.122人(男性2万9494人、女性3万2.628人)です。

 

脳梗塞以外では、「脳内出血」が3万2.654人、「くも膜下出血」が1万2307人、「その他の脳血管疾患」が2797人でした。

 

脳血管疾患で亡くなった方の数を性別で比較すると、男性は5万3.188人で男性死因の第3位に、また女性は5万6.692人で同女性の死因の第4位という結果でした。

 

脳は心臓の拍動や呼吸、体温調節などといった生命活動をはじめ、行動や言動、思考や感情、感覚などを司る重要な役割を担っていて、脳細胞が情報網を張り巡らせて高度で複雑な機能を果たしています。

 

この脳細胞に酸素と栄養を運んでいるのが、脳内を走る血管です。

 

脳血管疾患とは、脳の血管のトラブルによって、脳細胞が破壊される病気の総称です。おもな脳血管疾患には「出血性脳血管疾患」と「虚血性脳血管疾患」の2つのタイプがあり、これらは「脳卒中」とも呼ばれています。

 

脳の血管が破れて出血することから起こるもので、出血した血液は「血腫」という血の塊をつくり、血腫のできた部分の脳細胞が破壊されます。血腫が周囲を圧迫すると、障害はさらに広がります。

 

出血性脳血管疾患は、出血した部位によって2つに分けられます。

 

1つは脳の奥深くの細い血管に加齢や高血圧によって小さなこぶができて、これが破裂して出血が起こる「脳出血」です。

 

もう1つは、頭蓋骨の下で脳の表面を保護している「くも膜」という膜の下で出血が起こる「くも膜下出血」です。

 

脳の血管が詰まることによって脳への血流が悪くなり、脳細胞が酸素不足・栄養不足に陥るもので、代表的なものは「脳梗塞」と「一過性脳虚血発作」です。

 

脳梗塞は、血管を詰まらせる原因によって大きく2つに分類されます。脳の血管に血栓という血の塊ができて、血栓が血管を詰まらせるものを「脳血栓」、心臓など脳以外の血管にできた血栓が、血流にのって脳へと運ばれて、その血栓が脳の血管を詰まらせるものを「脳塞栓」といいます。

 

一過性脳虚血発作では、血管の詰まりは一時的なもので、血流はすぐにもとに戻りますが、脳梗塞は完全に血管が詰まり、血流も完全に途絶えてしまうので、血液がいかなくなった脳細胞は壊死します。

 

脳血管疾患の恐ろしいところは、死亡率のほかにもう1つあります。

 

それは一命をとりとめても、何らかの後遺症を残す人が多いということです。

 

脳血管疾患の後遺症には、手足の麻痺をはじめ、言語障害視覚障害、感覚障害などさまざまなものがありますが、どのような後遺症が現れるかは、損傷を受けた場所と損傷の程度によります。

 

後遺症の程度によっては寝たきりになったり、介護が必要になったりすることもあります。

 

脳血管疾患には、誘因となる危険因子がいくつもわかっています。

 

なかでも高血圧、動脈硬化、喫煙は最大の危険因子です。

 

そのほかにも、運動不足や多量の飲酒、ストレス、睡眠不足などの生活習慣が脳血管疾患の引き金となります。

 

また、「メタボリックシンドローム」といって、内臓脂肪の蓄積(内臓脂肪型肥満)に加えて、高血圧、高血糖、脂質異常のうちいずれか2つ以上をあわせもった状態では、それぞれが軽症であっても、複数あわせもつことで動脈硬化を悪化させ、脳血管疾患の発症リスクを高めることもわかっています。

 

なお、心臓の血管にできた血栓が原因で起こる脳塞栓は、「心房細動」という不整脈が最大の原因になります。

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