厚労省は1月12日午後6時時点の死者数をまとめた。その結果、死者は計102人に達し、年代別では70歳代が37人で最も多く、80歳代が36人、90歳以上が11人と続いた。40歳代は2人、50歳代が6人。60歳代は9人。40歳未満では死者は出ていない。1人は非公表。
重症者や感染者の人数も年代別に集計した。重症者は計135人おり、60歳代が39人、70歳代が32人、50歳代が26人。40歳代以下でも重症化するケースがあった。
計7121人の感染者の内訳を見ると、全世代に広がっているものの、比較的若い世代、就業している世代が多い。20歳代~50歳代は各年代とも1200人程度おり、60歳代の809人、70歳代の649人を上回っている。
新型コロナウイルス感染症の拡大で外出自粛が呼びかけられ、高齢者の転倒リスクのアップが心配されています。
家に閉じこもることで筋力が低下し、ちょっとしたことでも転びやすくなるからです。
高齢者にとって転倒は怖いものです。
転倒による骨折で寝たきりになり、要介護の状態になることは決して少なくありません。
また、高齢者の外出自粛が長く続けば、要介護状態の一歩手前である「フレイル」になるリスクも高まります。
政府の2019年版高齢社会白書によると、65歳以上の要介護者らの介護が必要になった主な原因には、高齢による衰弱(13.8%)、骨折・転倒(12.5%)などて、男性より女性の方がこうした要因が多い。
運動習慣のある高齢者の割合は65~74歳では男性が48.6%に対し、女性は39.8%、75歳以上でも男性43.3%、女性38%で、いずれも女性の方が運動をする割合が低かった。
筋力低下を防ぐためには、自宅でできる簡単な運動と生活活動とを組み合わせ、高齢者が適切な量の身体活動を維持できるよう配慮しましょう。
また、手すりを取り付けるなどの環境整備をしっかり行い、転倒を物理的に予防するのも重要です。
重症化リスクが高いとされる高齢者は、不要不急の外出を避けることが大切です。
外出を極端に控えることで「生活不活発病」になる危険性が高まることも問題視されています。
生活不活発病とは、生活が不活発、つまり動かない状態が続くことで全身の機能が低下する病気です。
災害時に起こりやすい病気ですが、在宅生活を送る高齢者にも生じやすいとされています。
症状としては「心肺機能の低下」「起立性低血圧」「消化器機能低下」など全身に影響するもの、「関節の拘縮(動かしにくくなる)」「筋力低下」「静脈血栓症」といった体の一部に起こるもの、さらには「うつ」「自律神経の不安定」「知的活動の低下」など精神や神経の働きに関するものがあります。
今回の新型コロナの場合でも、感染予防に向けた自粛が不活発状態を招き、体の回復力・免疫力を低下させ、それがウイルスに感染した際の重症化につながることが危惧されています。
コロナを乗り切るため
1つ目の「運動」。
外出自粛が求められる現在ですが、天気のよい日はウォーキングなどで運動不足を解消しましょう。
外で運動することは筋肉を保つだけでなく、気分転換になり、血液の循環も良好にします。その際、人混みを避け、人との距離を十分にとった上で行うようにしましょう。
室内で運動する場合は、スクワットや片足立ち、足踏みなどが効果的。体調に合わせ、椅子などに手を添え、安全に気をつけながら行ってください。
2つ目の「栄養」
免疫力を低下させないために大切です。
三度の食事はバランスよく、十分なエネルギーが摂れるよう心がけ、特にタンパク質を多く含む肉・魚・大豆、ビタミンDを多く含むきのこ類を積極的に摂りましょう。
タンパク質は筋肉のもととなり、ビタミンDは筋肉をつくる手助けをします。